坪売上59万円!13坪21席で月商765万円売るA5雌牛焼肉店「天満屋」

コロナ禍である8月上旬にオープンした最新成功事例です。

日本で一番長い商店街である天神橋筋商店街の一番端に位置する「天神橋筋六丁目」という下町にオープンした「肉の天満屋」。 異業種からの新規参入による当店は、初飲食業・初焼肉店へのチャレンジであり、立地選定・業態選定はもちろんの事、採用から立ち上げの現場オペレーションまで、トータル的なサポートをさせて頂きました。

1.堅調な焼肉マーケットでも業態による好不調の波は激しい

ブログでも書いているように、コロナ禍での焼肉業態の堅調さは、他業態と比較した際に著しいものがあります。 しかしながら、今までその場しのぎの時流適応を中心とした業態づくりをしている店舗は、そもそも固定客が少なく、売上回復が弱い傾向にあります。
<回復が早い⇒固定客が多い⇒店との信頼関係がある⇒接客・商品への価値を感じる>
飲食店として、焼肉店として、より原理原則に基づいた業態開発をする事が迫られました。

2.焼肉業態の空白は中単価マーケット

我々の調査・分析に基づく見解としては、全国に数多くある焼肉店において最もレッドオーシャンと考えられるマーケットが、客単価3,000~4,000円ゾーンであります。 大手チェーン店はもちろん、ホルモン業態や個人店などです。焼肉業界の中では、低価格ゾーンであるからこそ参入障壁も低く店舗数も多い状況です。 このゾーンの大半のお店は、輸入牛肉を使用している事で利益率もしっかり確保できていますが、価格競争になりやすいゾーンであるため、仕入れのスケールメリットにより大手が優位に立ちやすいマーケットとも言えます。 一方で、職人を活用した客単価7000円~の高単価マーケットは、一定の中~高所得者層や、SNS活用による会食やハレの日需要を取り込む事で安定していますが、資本面や運営面での参入障壁が高く、マーケットも限られる為、おすすめ出来ない領域でもあります。 また、世の中の景気に左右されやすいという傾向もあります。

それらを踏まえると、客単価5,000円マーケットの空白が著しく感じます。 また、このマーケットに存在する多くの焼肉店が輸入正肉・A4を使用しており、コスパが良いという言える業態が少なく、明らかに空白マーケットであると言えます。 一定の職人活用も必要となる為、スピーディーな多店舗化を目的とした出店にはおすすめいたしませんが、集客面だけを考えると最適なマーケットと言えるでしょう。

3.異業種からの新規参入で陥る“あるある事例”

OMAMENAグループには毎月たくさんの出店相談が舞い込んできます。
その中で、一定の数で異業種からの飲食参入相談があります。 利用者側として利用体験しやすい飲食店に対して「カッコいい」「おもしろそう・楽しそう」「儲かりそう」という安易なイメージをお持ちで、それが参入の動機という方が多いというのが事実であります。 運営していないから実情が分からないというのは、こちらも重々承知はしているものの、これほど安易な動機で参入を考えるのが飲食業界特有の慣例であり、閉店数が多い要因でもあるのでしょう。 こういった動機で参入した店舗で、お店が継続しているケースは本当に稀ではないでしょうか。 このようなケースでは必ず、飲食店運営の厳しさをお話し、店自体をつくるのは簡単ではありますが意外と(かけた手間に対して)儲からない、マネジメントが大変、といった事をお伝えした上で、それでもやりたいという方には30坪未満の小さなお店でスタートする事をおすすめしています。 一度、小さなお店の運営を経験してから、酸いも甘いも分かった上で「100店舗やりたい」と思えるかどうかが重要ですね。

4.コロナ禍をどう乗り切るか

オープン時期が8月という事も、出店戦略において重要なポイントです。
それはどこに出すか?コロナ禍の店舗売上を見ていると、繁華街は回復が弱く、逆に地域住民の入店が多いエリアでは回復が進んでいる傾向にあります。ただ、ベッドタウンの平日売上の低さを考えると、住民以外の客層も必要となります。 出店エリア選定の際に行う商圏分析では、
■エリアに住んでいる定住人口
■エリアに働きにくる就業人口
■エリアに仕事以外の目的でやってくる商業人口
の3つの人口を分析した上での判断が重要となります。
一定の地域住民がいる事で自粛になった際のテイクアウト需要も見込める、家賃がそこまで高くなく固定費を抑えられる。そういった事をトータル的に考え、希望エリアの中から天神橋筋六丁目という駅をご提案したのです。
よくある乗降客数のみでの判断でのエリア選定では、危険な要素が含まれているのです。

5.黒毛和牛最高ランクA5雌牛カルビ699円

黒毛和牛をお値打ち価格で提供する焼肉業態も全国的に増えてきました。
しかし、そのようなお店の大半は、A3~A4クラスの友バラを使用し、黒毛和牛カルビ699~799円で提供するものでした。私の全国のクライアントでは、それらのコスパを更に上回るようなメニュー構成に日々改善し、既存店の売上アップに成功し続けていました。
仙台のある焼肉店では仙台牛カルビ799円、大阪のある焼肉店ではA5和牛一頭買いによりA5カルビ699円といった低価格で提供し、いづれも高付加価値商品を地域最安値で提供するというコスパの高いメニューを実現しています。

そんな中での新たなチャレンジが、大阪という立地ながら“雌牛”に絞った業態です。去勢よりも脂の融点が低いという特徴により柔らかさなどが一つのウリになりますが、見た目のサシにインパクトが弱い為、一般受けしにくいという傾向があり、今までは東京のような大都市圏で通な肉好き客層に対して提供するお店がほとんどでした。仕入れ価格も去勢よりも高く、低価格で提供する難しさはあったものの、大阪という競合性の高いエリアで特徴ある業態コンセプトを作り上げる為に、A5ランクの中でも価値の高い雌牛にチャレンジしたのでした。友バラを活用しA5雌牛切り落としカルビ599円、カルビ699円で提供しているお店は中々無いのではないでしょうか。

6.王道焼肉として重要なメニューの考え方

①商品の絞り込み
→王道焼肉として大事な事は、焼肉業態としての原理原則を当たり前のようにしっかり徹底できる事にあります。
美味しい商品を楽しんで頂く為に、一品一品こだわり抜く事につきます。カルビであれば一枚一枚手切りした肉に隠し包丁を入れ、注文ごとに一枚づつタレを揉み込む。塩タンもチルドタンを一枚一枚手切りし、ごま油、おろしにんにく、塩コショウを注文毎に味付けする。こういう当たり前の手間を、どれだけかけられるかが実は重要になってきます。逆に言えば、いかにそういった事を出来ている焼肉店が少ないかという事なのです。やるべき当たり前の事に集中出来るよう、サイドメニューは限りなく削っていきます。石焼カテゴリーはやらない、ナムル1種類、スープ2種類、といったサイドメニューの絞り込みにより、限られた商品ではあるものの、全てに神経の行き届いた商品になっている事が重要です。肉の天満屋では、フードアイテム数が約60品と、通常焼肉店の60~50%と少ない品揃えになっているのです。

②美味しくないものは出さない
→経営の中で原価率をいかに抑えるか、集客数を上げるか、といった課題は付きまといます。
それらを優先するが故に商品の美味しさを後回しにしてしまうという事が現場ではよくあり、それらが行き過ぎた状況になると目先の数字はクリアできるものの、中長期的な売上は作り上げられないでしょう。肉の天満屋では、コロナ禍として当然の事ながら弁当販売をしておりますが、カルビ弁当、ロース弁当、ハラミ弁当、赤身弁当といった定番商品がありません。なぜなら美味しくないからです。全部位を焼き上げ1時間後に試食した結果、(レンジで温めないという前提で)冷めてても美味しい商品だけを商品化したのです。
カルビ弁当が無い変わりに、薄切りのA5雌牛バラ材を使った薄切りカルビ弁当を集客商品として商品化しました。冷めても柔らかさがキープでき、尚且つタレが浸み込んでご飯が進む、非常に満足度の高い商品として今では人気商品になっています。

当たり前のようにラインナップとして取り揃えている商品一つ一つに、価値があるのかという問いかけをし続ける事が大事なのです。リピートしていただけるような商品提供にこだわるという、飲食店にとって当たり前の事が出来ているか?持続的に売上を伸ばし続ける為には、“美味しさ”にこだわるという当たり前の意識があるのです。