焼肉店が知っておくべき2023年も使える原価高騰対策

コロナの影響下でタンをはじめとする各種焼肉商材の値上がりが2021年前後で大きくあったことでコロナ禍の集客ダウンとともに原価高騰は焼肉店の大きな課題のひとつとなっています。それに加えて2022年10月からは酒代の値上がりもあり、各焼肉企業様は何も対策をしないと原価率で1~2%ほどの上昇となってしまうところが多かったと思います。そのような中でも居酒屋企業からの焼肉店参入などを含めて焼肉業態の競合店数は増えていってますので、安易な値上げでの原価対策だけでは不安が残るが目の前に各商材の値上げも控えているため、とりあえず値上げしよう。という店舗様も多いかもしれません。そのような背景もあり、本ブログでは、焼肉店が知っておくべき2023年も使える原価高騰対策のポイントを紹介します。

===================
【原価高騰対策のための8つの取り組み】
①正確な理論原価率の算出
②ロス率の正確な把握と対策
③売上構成比の高いカテゴリーの原価の見直し
④値上げしやすい商品の把握と値上げしやすい商品づくり
⑤同一価格帯での最大限の値上げと同商品の2プライスの導入(会員化)
⑥商品以外での利益獲得と損失の改善
⑦低原価商品の売上構成比アップ
⑧メイン商材(正肉)の仕入れ見直し、スペックの改善
===================
今回はまず大前提で必要となる①②についてお話ししたいと思います。

①正確な理論原価率の算出について

まず前提として各商材の値上げが仕入れ先からは来ていても各商品の正確な単品原価(原価率)や売上構成比の把握をしておらず結局店舗全体ではどのくらいの理論原価率の上昇となるのか?そもそも現状は理論原価率が何%なのかを知らない場合は正確な理論原価率の算出が必要です。今どの場所にいるのかがわからなければ外部環境の変化があったときにどのように対策をすればよいか。正確にどこを目的にするのか。を判断することができません。算出の流れとしては、
算出方法①「単品原価」を算出する
算出方法②「単品原価×出数」で「理論原価」を算出する
算出方法③「理論原価」×「売上構成比」=「影響原価率(相乗積)」を算出する
算出方法④「実際原価率」—「理論原価率」=「ロス率」を算出する

②ロス率の正確な把握と対策について

理論原価率が正確に算出できた上で、店舗の正確な実際原価が出ていると①正確な理論原価率の算出についての算出方法④にあるように「実際原価率」—「理論原価率」で「ロス率」を把握することができます。ここでも前提で毎月正確に棚卸をしている必要があります。
※実際原価率=月初(月末)棚卸額+今月の仕入れ金額―月初(月末)棚卸額
例えば、理論原価率が37%で実際原価率が40%だとすると、その月のロス率は3%となります。ここでその月の売上高が800万円の場合、月商×ロス率でその月のロス金額が出てきます。この想定の場合は、800万円×3%=24万円です。とても無視できる金額ではございません。ロスといっても項目にわけることができ、それぞれに対しての見直しが必要です。
ロスの内訳は大きく3つに分けられます。

〈ロス①〉商品ロス(仕入れ・管理)
商品ロスにはいろいろな要因がありますが、焼肉店において一番大きな仕入れ金額を占める正肉の歩留まりのブレが大きな原因のひとつとなっていることが多いです。本来歩留まり40%設定のトモバラが30%でカットしてしまっている内部の人材不足の場合や仕入れ先から歩留まりが悪い個体が入れられているなど様々な原因を見直していく必要があります。また、疑いたくはないですが、場合によってはスタッフさんが持って帰っている。規定のまかない以上のものを商品をつかって出しているといった場合も考えられます。

〈ロス②〉オーバーポーション(調理)
正確には通常80gのグラム設定をしている商品が実際には90g~100gで提供していまっている。という場合も現場ではよく起こります。前提でマニュアル(レシピ化)や現場の意識の教育も必要ですが、意識の部分やこちらも仕入れ先とのスペックの詳細、カットを詰めていくことで根本的な改善につなげていくことができます。

〈ロス③〉廃棄ロス
仕入れの予測の甘さや冷蔵庫、冷凍庫ないでの管理の仕方が悪く商品として出せるはずのものが出せなかった場合に起こります。

次回は③以降の内容についてふれていきたいと思います。

===================
【原価高騰対策のための8つの取り組み】
①正確な理論原価率の算出
②ロス率の正確な把握と対策
③売上構成比の高いカテゴリーの原価の見直し
④値上げしやすい商品の把握と値上げしやすい商品づくり
⑤同一価格帯での最大限の値上げと同商品の2プライスの導入(会員化)
⑥商品以外での利益獲得と損失の改善
⑦低原価商品の売上構成比アップ
⑧メイン商材(正肉)の仕入れ見直し、スペックの改善
===================