次のフェーズを迎えた卓上サーバー設置型業態~広がる卓上サーバー業態の進化と陳腐化~

広がる卓上サーバー業態の認知

各エリアで、卓上サーバー設置型焼肉店の競合状況が増えてきました。

卓上サーバーでレモンサワー飲み放題60分500円は、ほとんどの業態共通ですが、卓上サーバー焼肉店においても、焼肉フードの商品構成と客層は多種多様になっています。焼肉業態ではない場合も多いですが、業態によってはレモンサワー飲み放題ではなく、ハイボール飲み放題であったり、ハイボールとレモンサワーが2つとも楽しめたり、翠ジンソーダが無料で飲み放題だったり。
その上で2022年に入ってから顕著に感じるようになったのは、「全卓上にサーバーが設置されており、それが60分500円で飲み放題ができることへのお客様の感動が薄まりつつある」ということです。同業態の出店を進めている各企業様も同じことを感じてらっしゃるのではないかなと思います。

逆に言えばそれほど、業態として初めての出店だった2018年~2020年くらいまでの間は、出店する各エリアでお客様のとても良い反応とともに街に受け入れられておりましたが、今は消費者からすると「あ、知ってる。全テーブルにサーバーついてる店だよね」と業態自体の認知が進み、出店する際にすでに知っている状態になっている商圏が増えてきています。

好調な売上を獲得できている商圏の特性

業態への理解度が深まっていることは当然メリットがありますが、デメリットも存在します。それは「〇〇のお店って〇〇だよね。」と、その業態に対する一定の意識が形成されてしまうことです。そのため、特に業態への理解が深まりやすい場所(繁華街性の高い場所)での出店ほど、出店時の集客の爆発力がなくなっているのが現状です。そのような中でも好調な売上を獲得できている商圏特性は、
①商圏内の常住人口・昼間人口がともに多いが飲食店店舗数が少ないエリア②業態特性から学生などの若い客層・お昼から飲む人が多いようなエリア
の2パターンであることが多いです。
これからさらに2022年8月以降も同業態の出店は続いていくと思いますが、各社卓上サーバー業態での集客ではなく、焼肉業態としての集客力をどこまで高められるかが長期的な繁盛のためには必須となってきます。焼肉店としての目的来店性をどこまで持つ業態にできるか、業態づくり、業態のブラッシュアップとしてはこの点をしっかりと突き詰めていく必要性を感じます。

卓上サーバー業態としての深堀

上記は、テーマとしてはある意味「脱卓上レモンサワーの必要性」を考えたものですが、一方で矛盾するようですが、現状同業態は卓上サーバー業態であることも確かなので、卓上サーバー業態としての深堀も進めていく必要があります。業態への理解が深まっている分、商圏によっては全卓上にサーバーがついていること(卓上サーバー業態であること)自体が客層の幅を狭めていたり、利用動機を狭めてしまっていることがあります。そうなってくると、全テーブルを卓上サーバー設置にしないほうが良いのではないか?卓上サーバーで飲んでもらうリキュールは何が良いのか?等々いろいろな深堀すべきものが出てきます。

具体的にはまた次回以降に触れたいと思います。